すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -076/203page

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計算好き

会津に、美しい初夏(しょか)がやってきました。盆地(ぼんち)をめぐる山々に緑がよみがえり磐梯山が青空にくっきりと見えます。

盆地にそびえる鶴ヶ城(つるがじょう)には、ときどき初夏の風がゆるやかに吹きこんできます。

こののどかな風景とうってかわって、城内の一室ではけわしい顔をした三人の家老(かろう)が、沈(しず)み切っていました。そこには、重苦しい空気がただよっています。

「うむ、こう日照りが続いたのではな。」

「田の水は枯(か)れる。稲(いね)も育たない。年貢(ねんぐ)はいつもの半分までいけばよいほうかもしれぬな。」


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