すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -104/203page
ではないかね。」
「はい、私の家は祖父も父も金掘(かねほ)り職人で、私も金山(きんざん)で働いていましたが、このごろ金があまり出なくなったので、山を下(お)りたのです。」
「ほう、では石が森や金掘(かねほり)あたりの、昔鉱山(こうざん)で働いていた人を知っているね。」
「はい、知っております。佐藤さま、いよいよ飯盛山の洞門(どうもん)掘りが始まるのですね。」
久作は頼母のやしきにつとめているので、豊助のやっている仕事は知っていました。
「佐藤さま、洞門を掘るのでしたら、金掘り職人だけでなく、慶山(けいざん)の石切り職人もきっと役に立ちますよ。それに慶山石(けいざんいし)はお城の石垣つくりにも使われたし、藩のエ事にはきっと協カしてくれますよ。」
豊助は、久作をたずねてよかったと思いました。洞門のエ事になると、今ま