すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -112/203page

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のことばをうけ、――八田宗吉(はった そうきち)や古川伊喜右衛門(ふるかわ いきえもん)たちと手をにぎり喜び合った――これらの1つ1つが切れ切れな場面として、2人の胸に思い起こされました。

 「あの日、私は、私の計算好きを笑いものにしていたたくさんの人からも、おほめのことばをもらった。小さいころから好きだった計算が、人々の役に立ってうれしかった。けれども、今考えてみると、あの仕事は、お前がかげで助けてくれたからできたのだと思う。あの日の手がらは、ほんとうはお前が作ってくれたのだ。ありがとう。」

 ふだん遠出(とおで)などしたことのないれんにとって、1日じゅう馬の背(せ)にゆられ、タ方のしぐれにあたり、夜ふけまで寝つかれなかったあの1日は、だいぶこたえたようでした。翌日、疲れの出たれんは病(やま)いにたおれてしまいました。

 ひと冬を無事に越せれば、という医者(いしゃ)のことばも空(むな)しく、安政(あんせい)3年2月のひときわ寒い日のタ方、れんは、


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