すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -137/203page

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 そのころの学校では、珠算は、あまり大切に考えられていませんでした。たとえ、珠算に関心(かんしん)をもっている先生がいても、その先生自身、今までの割り算九九(くく)でそろばんを覚え、そのやり方が身についてしまっているので、今さら新しいやり方をやってみる気にはなれませんでした。伊策の考えが認められないばかりか、しまいには、伊策のことを、そろばんきちがいと、かげでうわさするようになりました。

 伊策も、学校で珠算を教えるときには、国で作った教科書を使わなければならなかったので、教科書にのっている昔のやり方で教えなければなりませんでした。しかし、伊策はくじけませんでした。どう考えても、自分の研究した珠算の方法をやめることはできなかったのです。

 そこで、伊策は、村の青年たちの勉強会で、自分の珠算の方法をためしてみようと思いました。


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