すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -147/203page
て、ここまではるばるとやってきたのです。」
伊策は、とつとつとした言葉で、自分の研究した結果を、10項目ばかりにまとめて説明しました。局長さんは真剣(しんけん)に聞いてくれました。伊策の、方言(ほうげん)をまじえた説明がわからなかったり、方言の発音が聞きとれなかったりすると、やさしく聞きかえしたりしました。局長さんの、そのおだやかな目をみながら、伊策は、局長さんに会ってよかったと思いました。
何分間、話したでしょうか。最後に、局長さんはこう言われました。
「あなたの研究はたいへんおもしろいし、また参考になりました。だが、教科書にとり入れるには、まだ早過ぎると思う。少なくとも、福島県とか、南会津とかの全部の学校で、あなたの方法がとりあげられるようになったら、そのときはまた考えてみましょう。全国で使う教科書を改めることは、まだ早過ぎるようですね。さあ、あなたのカで、あなたの珠算の方法を、もっと広