すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -148/203page
めてみてください。」
伊策は、その通りだと思いました。ことわられたのですが、それでも元気が出てきました。聞きとりにくい会津の方言で語る伊策のまごころが、局長さんにわかってもらえたことを感じました。「さあ、これからだ。」という気待ちで、文部省の建物を後(あと)にしました。割り算九九(くく)を覚えるのに苦しんでいるたくさんの子どもたちが、自分の研究のひろまるのを待っているのか、という熱い思いにふるえながら空を見あげると、西のタ焼けをつき破るように富士山が頭をのぞかせていました。
道の終わりに
昭和6年(1931年)文部省は、甲種(こうしゅ)、乙種(おつしゅ)の2種類の珠算の教科書を発