すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -155/203page
四郎とよばれた少年は、立ちあがって他の子どもたちをうながします。
「じゃ、四郎さんは、イクグン(陸軍)大将になるのは、やめたのかい。」
「いや、やめやしないよ。おれは大きくなって、イクグン大将になるんだ。」
四郎は、心の中でおじいさんとかわした約束を思い出していました。
2ヵ月ぐらい前に、いつものようにけんかをして、どろだらけになって帰ってきた四郎は、夜になって、おじいさんによばれました。また、しかられるだろうと、小さくなってすわった四郎にむかって
「四郎、イクグン大将になるには、けんかに強いだけではだめなんだぞ。強いイクグン大将というのは、相手に対して強いというより、自分に対して強いということなんだ。弱い自分をおさえて、自分にかつ、――四郎には、まだわからないかな。自分の心をおさえ、りっばな、強い自分をつくることなんだ。わかるかな。」