すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -182/203page
で、相手に背中をむけるような形で、左足のかかとを、相手の左すねにたたきつけました。
照島の大きなからだは、小さな四郎を中心にして、空中高く、さかさにもちあげられたと思うと、頭からたたみにたたきつけられました。『山嵐(やまあらし)』の大技(おおわざ)です。
小さな四郎が、大さな相手をたおすために、くふうしたのがこの技でした。相手のからだがさかさまにたたきつけられるようすが、ちょうど山から嵐(あらし)が吹きおろすようだというので、嘉納治五郎(かのうじごろう)が『山嵐』と名づけた技です。
ふらふらと立ちあがった照島の、よろめくところに、四郎の『山嵐』がふたたびきまりました。
「まいった。」
これだけいうと、照島の意識(いしき)は、すうっと遠のいていきました。会場いっぱ