北会津村の文化財第27集 -026/039page

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村の生涯フェスティバルで、川小子ども獅子として踊ってみないか。」 と、声をかけられました。
 二回目のクラブの時間に、さっそく小松彼岸獅子会の三人のおじいさ んに踊ってもらいました。ついさっきまでやさしく、ほほえんでいたお じいさんたちの表情が、みるみる変わり、三人の息がぴったり合い目が 真剣そのものでした。独特な踊りなので、おかしくてやだなと思った自 分がはずかしくなりました。踊り終わったおじいさんたちの顔には、満 面の笑みが浮かんでいました。引退したおじいさんたちがなぜ忘れず覚 えているのか不思議でした。おじいさんにそっと聞いてみると、こんな 返事が返ってきました。
「獅子舞を踊るのが好きだからって言うこともあるが、獅子頭をかぶっ て踊るまでには6年かかっているからな。忘れることはできないんだよ。 鶴ヶ城の祭りの行事の時、小松彼岸獅子が先頭に立って踊っている姿を、 昔はみんなあこがれていたからな。」
と話すおじいさんの顔はとても、う れしそうでした。このような獅子舞 に対しての思い入れがあるからこそ、 今でも受けつがれているのでしょう。
 まず、最初に私達が教えてもらっ たのは、「おおぎり」という踊りで した。この踊りは、前へ出たり、後 ろへ下がったり、太夫獅子に合わせ て進んだり下がったりと細かい動き がたくさんある踊りでした。細やか さの中にも、三びきの獅子の息も合 わせなければならないところが大変 でした。
 次に、教えてもらった踊りは、「おかざき」という踊りでした。足の 動きに合わせて首をふる動きが多く、首を深く曲げすぎてもいけないと いう細かいところに気を使いながらの表現は、難しいものがありました。 どうにか、二つの踊りを覚え、今度は、踊りの役を決めるというときに、 獅子には、雌獅子、雄獅子、太夫獅子と三役からなっていること、まん 中で踊る獅子が女の獅子だということ、獅子の中で雌獅子は、三びきの 中心になるので、一番責任があるということを聞きました。どうせやる のなら、一番責任があるという雌獅子だと思い、自分から進んで、やっ てみたいという気持ちを伝えました。前の私には想像もつかないほど、 彼岸獅子にのめりこんでいました。
 それから、夏休みにも四回ほど特別練習がありました。せみの鳴き声 も暑さも忘れ、はやく覚えたいという一心で練習しました。しかし、ど んなにやっても、おじいさんたちの踊りにはかないませんでした。思い 入れが違うのでしょうか。それから、夏休み、一回だけ、たいこと笛を

彼岸獅子の衣装を着けた子供たち1

彼岸獅子の衣装を着けた子供たち2

彼岸獅子の衣装を着けた子供たち3


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