北会津村の文化財第27集 -027/039page
つけて踊ったことがありました。踊っ ている時は、無我夢中だったのでど んなふうに踊ったのかも覚えていな いほどでした。でも、衣しょうをつ けたあの日のことはしっかり覚えて います。おじいさんたちが6年かかっ てやっとつけることができた獅子頭 を半年の私たちがつけられたのです から。獅子頭をのせられた時、獅子 頭にこめられたおじいさんたちの思 いと責任とかが重さになってのしか かり、「やらなくては」という気持 ちにさせられました。
舞台を終えた私たちに、さらに大きな拍手で迎えてくれた人たちがい ました。私たちを指導してくれたおじいさんたちでした。
「ほんとうにすばらしかったよ。ほんとうに。」
と、言っているおじいさんたちの目に涙が光っていました。
彼岸獅子を体験し伝統を守り続けるすばらしさを感じ取ることができ ました。上手に踊れたうれしさや彼岸獅子を支える人たちの思いを後は いにも伝えていきたいと思います。
いつしか、みなさんの前で川小子ども彼岸獅子をお見せすることを約 束します。小松彼岸獅子 五年 成田 隆佑
パチパチパチ…と拍手が鳴り、舞台のまくがおりてきました。ぼくは 重い獅子がしらをつけ、最後のポーズをきめて、まくが下までおりるの をずっと待っていました。がんばって練習してきた獅子おどりが終わっ たのです。
五年生になった四月、クラブを決めることになったとき、ぼくは郷土 芸能クラブに興味を持ちました。そのクラブは、小松に伝わる彼岸獅子 をおどるクラブだったからです。
小さいころから、ぼくは祖父につれられて彼岸獅子を見に行きました。 そこには、おそろしい獅子のお面を かぶっておどる、三人の大人の人が いました。重い獅子がしらをかぶっ ているのに、おどり方はきびきびし ていてすぐそばで演奏されている笛 や太鼓とともにとても印象に残って います。そして、できれば、一度お どってみたいと思っていました。
そのあこがれのおどりを、もうす ぐおどれるのかと思うと、クラブが 始まるのがとても楽しみでした。
いよいよ、最初のクラブの日です。 小松に住むおじいちゃんたちが、ぼ