北会津の昔ばなしと伝説 -028/238page
と呼ぶと、
「なんだい、じいさん。」
という二度びっくり、ばあさんもとても驚くばかり、
「じいさんどうしたの。」
と話の次第(しだい)を物語るのであった。
ただ、残念なことにばあさんに、雲海(うんかい)に浮かぶ我(わ)が里の奇麗(きれい)な風景を見せられなかったのが惜(お)しいと思った。おじいさんは、世の中で一番よいところは、住み慣(な)れた我(わ)が里(さと)であるところと解った。
これは、天津神国津神八百万神(あまつかみくにつかみやおよろずかみ)のお諭(さと)し下(くだ)さったたまものと思って、「里の」 益々(ますます)繁昌(はんじょう)するよう力を合わせて働くことにしよう。
さあぁと夢(ゆめ)醒(さ)めた。