北会津の昔ばなしと伝説 -080/238page
「働かないで寝ている俺にこんなに美味(おい)しい物食(く)えんだから、兄ちゃはもっともっと、美味(おい)しい物食(く)ってんだべな。」
と思い、夜中に兄ちゃが寝ているところ腹を切り開いて見たら、なんと山芋のあつ首とか魚の頭など悪いところばかり食っていただど。
弟は自分の愚(おろ)かさに嘆(なげ)き悲(かな)しみ毎日泣き苦しみ、神の罰(ばつ)をうけて渡り鳥の時鳥(ほととぎす)となって、あたたかくなると南の国から飛んで来て、兄ちゃの供養に「ホンゾンカケタカ」 「テッペンカケタカ」と朝の暗いうちから口から血を流して一日八千八声鳴かないと、その日の糧食(いさくわ)ぎだど。時鳥(ほととぎす)は一日中鳴くので一杯で、自分の子育ても出来ないのでウグイスの巣に卵を産んで育ててもらうだど。