北会津の昔ばなしと伝説 -087/238page

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28 雷様(かみなりさま)の病気(びょうき)を治(なお)したお医者様(いしゃさま)

 むかし、むかし、本郷町(ほんごうまち)の岩崎山(いわさきやま)にお城が築(きず)かれていたころの話なんだど。宗文字 (そうえん)町に槽尾宗文字(かすおそうえ)という偉(えら)い名医(めいい)が住んでいたんだど。

 岩崎城(いわさきじょう)の殿様の御典医(ごてんい)としてお仕えしていたある日のことだったど。突然、空が真っ暗になり、ものすごい大粒のヒョウまじりの大雨が降ってきて、それに大きな雷が、「ピカー、ゴロゴロ、ズドーン。」とところかまわず、あちら、こちらに落ちただど。

 宗文字(そうえ)は、

 「これは、大変だ。雷様が重い病気になってんでねえのがい。」

と、天空(てんくう)を見上げて心配をしていると、しばらくして雷様が白髪(はくはつ)の老人となって降りてきて言っただど。


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