北会津の昔ばなしと伝説 -095/238page
30 馬鹿婿(ばかむこ)の 話(はなし)
余(あま)り利口(りこう)でない若者がいたそうな。
その若者が、家内(かない)の実家に、用事があって出掛(でか)けて行ったそうだ。そしたら家内(かない)のおがさまが喜んで、
「よく来てくなはった。」
と言って、お汁ダンゴを作って、御馳走(ごちそう)をしてくれらったど。
いろいろ二人で話をしながら、お汁ダンゴの煮えるのを待っていた時、そのおがさまが流しの方に立たはったど。そしたらその若者は、これ待っていましたとばかりに、煮立ってるお汁ダンゴ鍋に手を入れて、一つつまんで、すばやく口に入れただど、いやはやそれは煮立っていたのだから、熱くて熱くて、たまったもんでながったど。間が悪くて思わず