北会津の昔ばなしと伝説 -123/238page
36 猿(さる)の水(みず)かけ
昔(むがし)むがしあったどよぉ。
お爺(じん)ちゃんどお婆(ばん)ちゃがいだだど。んじぇお爺(じん)ちゃが田さ水かげぇやってだだど。とごろが水がねぐって田さ水かがんねだど。一日(いぢにじ)たっても二日(ふづが)たっても水かがんねぐって、
「困ったなぁ、困ったなぁ」
お爺(じん)ちゃは腕(うでえ)組んで畔(くろ)さでっこついで[腰おろして]、
「困ったなぁ、困ったなぁ」
ってだだど。したらそごさ猿がひょこひょこっと来て、
「お爺(じん)ちゃお爺(じん)ちゃ、何困っただよう」
言(ゆ)っただど。したら、