北会津の昔ばなしと伝説 -138/238page
「ああ、いいのくれねえわい、犬なのいじめでんの可愛想(かわいそ)だものこんなめんげ犬、まあそんじぇいいわい。気にななんねっていいだがらあ、早ぐ寄ってはぁ夕飯食わっしぇ」
「そうが悪りがったなぁ」
なんて言(ゆ)って来たぁど。
してその犬もだんだんでっかぐなってきて、裏の畑(はだげ)お爺(じん)ちゃどお婆(ばん)ちゃで仕事しでだっけが、犬が、
「ワンワン、ワンワン」
てほえんだど。
「何(なん)だべな」
ど思ったっけが、その犬がこご掘れこご掘れっつようなごとしんので、お爺(じん)ちゃ掘ってみだぁど。したっけが中(なが)がら大判小判がザックザック出できたど。
「あらら大(たい)したもんだごど」