北会津の昔ばなしと伝説 -153/238page
なんつって、その寒風(かんかぜ)入っちおいだ袋(ふぐろ)の口(くぢ)ちいっと開げだっけが、
「シューッ」
っと気持(もぢ)のいいしゃっけぇ風が流っち来ただど
「いやいやこれは気持(もぢ)いいなぁ」
なんている内(うぢ)に眠ちまっただど。眠っちゃってまだ暑(あづ)ぐなったのでまだ目(めえ)覚めだっけが、
寒の内(うぢ)に取っといだ袋(ふぐろ)の風がひとっつもねぐなっちまって、袋(ふぐろ)べしゃんとなっちまっただど。
「あらららら、これ困ったごど、和尚さま来たらおごらっちまあ、何(なん)じょすんべ。困ったなぁ、何(なん)じょすんべなぁこの袋(ふぐろ)の風、何(なん)じょしたらいいべなぁ」
なんて考えだ。
「あっそうだ、んじゃまぁ裏の畑(はだげ)さ行って芋掘ってきて、それ食って何(なん)とがすんべぇ」
なんて。