北会津の昔ばなしと伝説 -168/238page
どお爺(じん)ちゃが言(ゆ)ったので、
「んじゃ黄粉(きなご)にすっかよぉ」
つうので、今度石臼(こんだいすす)持ってきて、
「ゴリゴリゴリゴリ、ゴリゴリゴリゴリ」
すっただど。して石臼(いすす)ですって今度(こんだ)ふるうがど思ったら篩(ふるい)がねえだど
「篩(ふるい)ぶっくっちぇねぇがら、隣りの家(い)さ行って借っちぇくんべぇ」
なんて。ほんじぇ隣りの家(い)さ行っただど。
「こんちはぁ、篩(ふるい)借してくんつぇ。今黄粉作(きなごつぐ)っただげんじょ篩(ふるい)ねぐなっちまって篩(ふるえ)ねえがら、ちょっと借してくなんしょう」
「あらら、おら家(い)でも篩(ふるい)穴あいっちまって使(つか)いよねえだがらぁ」
「あらら、困ったなぁ」
「ねっか悪りあんべだげんじょ」