北会津の昔ばなしと伝説 -170/238page

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 「こんちはぁ、篩(ふるい)借してくんなんしょう」

 「へぇ、おら家(い)の篩(ふるい)今ちょうどどごさしまったがねえぐなっちまって困っちまった。どごさいっただべ、まあほんに、どごにあんべどごにあんべど探しただげんじょ、めっかんねぐってねえだがらあ」

 「ま、そうがよ」

 「悪りあんべだったごどぉ」

なんて。

 「いやぁ、んじゃしょうがねなあ、篩(ふるい)ねえだ困ったなぁ」

 まあそして、お爺(じん)ちゃ篩借(ふるいか)っちぇきらんにぇぐって家(うつ)つぁ帰って来ただど。したら、

 「お婆(ばん)ちゃ、篩(ふるい)どごも皆(みな)ねぐって困ったな、なじょんすんべなこれ、ふるうにふるわんにぇなぁ。あっ、そうだ、んじゃおれのふんどしでも持ってやっかぁ」

つうごどで、今度(こんだ)お爺(じん)ちゃはいでだふんどしはずして、それで黄粉(きなご)ふるってだだど。したっ


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