北会津の昔ばなしと伝説 -212/238page
「私は、あるお屋敷に、お腰入れをしましたが、数日前に、おまえはけがれた女だからと、おひまを出され、不吉な女として、小舟に乗せられ、流されたのです。」
と、泣きくずれてしまいました。漁師たちは、あまりの美人なので、同情もひとしおでした。ですから、この話も信じられないのです。
「そんなことはないだろう。こんな美しい女の人を流したりするわけがない。」
と、信じませんでした。
「そんなひどいことをするはずがないと思うがなあ。」
人々は、口々に言うのです。
「いいえ、私の言っていることは本当なのです。」
「では、なぜあなたは、けがれた女なのですか。」
「......」
何回尋(たず)ねても返事がありませんでした。人々は、うす気味悪くなり、女の人の言っている