北会津の昔ばなしと伝説 -218/238page
こにおられたので、からすがさわいでおしえてくれたんだべ。」
「なるほど、どおりで鳴き方が別だと思った。」
「あれ?今までお観音さま、お腹ごもりされていたべか。」
「いや。今までお腹ごもりされていたなんて、聞いたことがねえな。」
「それでは、ここでお腹ごもりされたのかな。」
こうして、お腹ごもりされたお観音さまを大切に、お運びしておまつりしました。
その後、今のお堂を建立して安置したということです。
この観音さまの腹の中には、一寸五分のみ仏がおられるといわれており、一名おはらごもり観音といわれております。
会津三十三観音の十三番で、福聚山観音寺(ふくじゅさんかんのんじ)と称し、聖観世音菩薩(せいかんぜおんぼさつ)で、慈覚大師(じかくたいし)の草建(そうけん)と伝えられております。一時住職もなく荒廃(こうはい)していたのを天正三年僧円智という人が、修補したといわれております。