北会津の昔ばなしと伝説 -224/238page
たきれいな水の流れている川で洗いました。
すると、今まで、出ない出ないと苦心していた、純粋の原色が現われたのです。その感激で、この人の反物(たんもの)を持つ手がふるえていました。
それからというもの、木綿の色染めの水洗いは、この沼でするようになりました。それからこの村を、自分の方の村の名をとって、「天満」 と言うようになりました。
現在の天満の東に字沼田という地名がありますが、それが、もとの沼のあったところでした。大正年間に行なわれた耕地整理前は、二反以上の広さの沼がありましたが、今はもうありません。
この沼に、その昔、亀が住んでおりました。沼の主でした。
雨の夜、はって高田町雀林にあるふるかた沼の主のところに、お嫁に行きました。
お嫁に行った次の朝、この沼からふるかた沼まで、はって行った足あとがのこっていたということです。