喜多方市の文化財 -042/055page

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古四王神社拝殿・御神像

 四天王をまつる当社は、北向きの宝形(ほうぎょう)造りで珍しい建物で ある。桁を支える舟肘木(ふなひじき)、軒を支える手挟、それに二斗束や組 物などに特色がある。正面中央が蔀戸、その両側が桟唐戸(さんからど)の併 用である。当社は、四道将軍の東北征討と関連して考えられる ことから、拝殿(登りロにある) の中の御神像は、北方の守護 神とされる多聞天(たもんてん)と思われる。風雨にさらされているが、顔面 や腰のゆるやかなひねりなどに平安末の様式が見える。

所 在 地 慶徳町松舞家字馬坂  古四王神社

古四王神社拝殿

古四王神社御神像

経     壇

 市内の西部を流れていた押切川(今は濁川に合流となり廃川) はたびたび氾濫を起こし、当地域の民家や田畑へ大きな被害を 与えていた。これを鎮めるため、経文を埋め、塚を築いて自然 災害から救われることを祈念したといわれている。

 経壇は、高さ2メートル、周囲約50メートルの規模である が、このような経壇や経塚が設けられた理由は、平安時代の後 期、11世紀の頃末法の世になると仏教が滅び、すべての経典 が地上から姿を消すということから、経文を土中へ埋め、弥勒 菩薩(多くの人々を救う仏) の出世するまで保存しようとした ということである。

 普通、経壇や経塚は経文を経筒に納め、仏具などとともに埋めたものである。土に書いて焼いた経瓦や小石、貝などに書いた経石もあり、これらのまわりを石で囲み、ふた石を置き、古墳のように盛り土をしたものである。

所 在 地   喜多方  上 町

経壇


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