目で見る 熱塩加納村の文化財 -038/144page
村指定文化財
草 木 塔
(昭和五十八年三月十九日指定 記念物 史跡)
塔は熱塩小学校校庭南東にあり、安政六年(一八五九)六月に建立された凝灰岩の角柱石である。
碑は、伐採された樹木の霊を慰めようと赤崎の木こり甚 三郎という人が建立したものと伝えられ、草木塔という石 碑は全国にもめずらしく、その発祥は山形県置賜地方で、 一番最古のものは安永九年(一七八〇) の 「草木供養塔」 である。県内では一基のみの貴重なものであり、当時の民 間信仰を知る上に大切なものである。
白山神社拝殿の向拝
(昭和五十八年三月十九日指定 有形文化財建造物)
上野集落の鎮守で北向に鎮座、祭神は石川県白山の白山比盗_社より分祀勧請されたものといわれている。
向拝は、欅材の木目美しい浮彫向拝である。二本の向拝柱の上に頭貫が通っており、それには中央部分に長寿を表わす亀をあしらった菊水の文様、両端は羽を広げた瑞鳥の彫物、その先端は木鼻で龍頭の渦巻文様である。
前面に出ている掛鼻は渦巻文様で、内側は左右共に上は瑞鳥、横にア・ウンの龍、中は内ぐりになっており亀の彫刻、外側は同じく上に瑞鳥、中の内ぐりには瑞鳥と威勢を表わす鯉の彫刻である。
頭貫と上桁との間には力を 支える蟇股があり、前面は瑞 雲の上に飛馬、飛龍を表わす 麟麟の雄壮な彫刻さらに虹梁、 斗栱など一体となった浮彫向 拝は見事であり、神社建築、 美術彫刻の面から貴重である。