山都町勢要覧 -014/022page
農林業
(農 業)
地域性を活かした生産と経営の安定
山都町の農家戸数は742戸、うち専業農家が103戸で兼業農家が大多数を占めています。主たる農作物は水稲、アスパラガス、肉用牛、ニラなどです。ナメコやシイタケなどのキノコ栽培、ソバ栽培なども盛んに行われていますが、今後もっとカを入れたい農産物でもあります。
現在抱えている問題に農業従事者の高齢化、後継者不足、耕作放棄や生産性が低いことによる耕地利用率の低下があります。それらを改善するために、担い手農家の育成や農地の流動化と有効利用、生産性の向上と産地銘柄化など今後取り組まなければならない課題がたくさんあります。
農業経営の改善を図り、十分に経営の成り立つ農業が確立すれば、若者の町からの流出も防げ、農業人口も定着化すると思われます。そのためにも、山都町ならではの農産物に力を注ぎ、農業の安定化を図りたいと考えています。 (林 業)
山都町においては、山林の占める割合が総面積の82.9%もあり、林業は町にとっても重要な産業となっています。その林業が抱えている間題は、林業従事者の高齢化と若年層の後継者不足であり、町としても後継者の確保、育成にカを注いでいます。
現在、より効率の良い生産を図るため、林業産業の基盤となる林道の整備と造林、保育により、良質材生産の促進に特に力をいれています。山都・人間讃歌
【山口尚通さん一家(千咲原)】
山口尚通さんは奥さんのイキさん、長男の比佐男さん、比佐男さんの奥さんである澄江さんの4人で農業を営んでいる。農業の中心となっているのはアスパラガス、トマト、水稲だ。山口家では、8年前から毎年収益を伸ばしている。
主因はアスパラガスとトマト。品種が良くなったことと、単位面積あたりの収穫量が増えたためだ。そこには、トマトを吊リ下げ方式にするなど、栽培に対する様々な工夫があった。その功績が認められ、去る平成6年6月22日技術、経営改善部門で県の農業賞を受賞した。
尚通さんは、長男の比佐男さんのおかげだという。若者は新しい技術を取り入れるし、手抜きをしないから良い作物ができるのだとも。
今後が楽しみな農業一家だ。
【齋藤信一さん(河原田)】
齋藤さんは、奥さんの美代子さんと町内では耕作面積が一番多いという11町4反の土地で、稲作を中心とした農業を行っている。稲もコシヒカリをはじめとして5種類栽培している。これだけの土地だから、田植えや稲刈リの時期は大変だ。
齋藤さんの強い味方はグレーンタンク。刈り取リから脱穀までやってくれる。
それでも二週間はかかるというから、いかに広いかがわかる。
夏も手入れに手間がかかる上に、そのほかの作物も作っているからこれまた大変。
広ければ広いなりに苦労があるようだ。
【安部豊さん(早稲谷)】
安部さんは、奥さんのアキ子さんとシイタケ裁培を中心とした農業を営んでおリ、シイタケのほかにナメコ(缶詰にするまで)と8反の水田で水稲栽培も行っている。
シイタケは毎日300パック前後、多いときで600パックを出荷しており、出荷先は地元と東京で、消費者のニーズを十分考慮して出荷するという。
シイタケは、栽培も大変だし夏は朝昼晩と収穫しなければならないというが、若労のし甲斐のある作物のようだ。