高郷の地質と化石 会津化石研究グループ -000-01/066page

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改訂にあたって

この小冊子は1984年に、高郷(たかさと)の地質や化石の「案内書」、高郷村郷土資料館の「手引書」として初めてつくられました。初版はややかたく、難しいという声もありましたが、お陰さまで発行部数のほぼすべてを、読者のお手もとに届けることができました。初版発行以来約13年も経ちましたが、この間に、アイヅタカサトカイギュウは新種として世界的に認められたり、1997年3月には、それが福島県の天然記念物として指定されるなど、高郷産の化石について大きな進展がみられました。そこで、このたびこのような新しい変化や研究結果もとりいれて、改訂版をつくることになりました。初版本と同様ご愛読いただき、御教示いただければ幸いです。

1997年10月

高郷村
高郷村

はじめに

高郷村は福島県の西のはずれ、越後山地(えちごさんち)にある小さな村です。そこには新生代(しんせいだい)・新第三紀(しんだいさんき)(約1500万年前)以降の地層が良く発達し、いろいろな種類の化石も産出しています。また、高郷村は、貝化石を要素とする「耶麻動物化石群(やまどうぶつかせきぐん)」の産する所としても知られ、近年、カイギュウやアシカなどたいへん貴重な、海に棲む哺乳動物化石も発見されています。

1983年には「高郷村郷土資料館」が完成し、村内の考古(こうこ)・民俗(みんぞく)などの標本とともに化石や岩石も陳列され、そのユニークな展示は多くの方々の関心を呼んでいます。

カイギュウな化石の「発見・発掘」、さらには資料館内の「展示」には私たちも手伝わせていただきました。その際、高郷の地層観察の「案内書」あるいは資料館見学の「手引書」のような本があればという声がでました。そこで、私たちのこれまでの活動をまとめて、新たに出発する上でも意味があると考え、非力ながら本書をつくってみようとなったわけです。高郷村をはじめ、宮城県牡鹿町(おしかちょう)、福島野尻湖(のじりこ)友の会などの諸機関や団体、さらに多くの方々に協力を頂きました。高郷村を訪れる方に少しでもお役に立てれば幸いという思いをこめて作りましたが、なにぶん未熟なものですから、不備な点が多々あると思います。ご教示をいただければ幸いです。


     1984年4月
会津化石研究グループ

         

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掲載情報の著作権は高郷村に帰属します。
高郷村の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。