あいづばんげ町勢要覧 -014/034page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

こづゆ

庶民の味として、長い間
母から子へと受け継がれた味覚。

会津地方一帯に古くから伝わ叫素朴な郷土料理として愛されつづけて来た「こづゆ」。
山の幸、海の幸、糸コンニャク、豆麩(ふ)などを煮込んで作る伝統の風味に、質実の心が生きつづけている。

こづゆ

こづゆ作り

 会津地方一帯に古くから伝わる家 庭料理で、お祝い事に欠かせないの が「こづゆ」である。キクラゲ・麩・ 里芋・人参に糸コンニャク・豆・貝 柱を加えた具だくさんのごちそうで、 「煮肴」とも呼ばれている。お正月や 婚礼などの慶事に欠かせない郷土食 として、「こづゆ」の素朴な味は代々 母から子へと長い間にわたり受け継 がれてきた。

 そもそも会津地方では、冬期間は 寒冷な気候のため、古くからアワ・ ヒエ・ソバなどの穀物や山菜、川や 沢の魚介類などを組み合わせた、一 種の完全自給型の食形態が成り立っ ていた。

 その後時代が進むにつれ、会津地 方に隣接する新潟児方面から海産 物などが徐々に ではあるが流入 するようになっ て、庶民の食生 活の方もそれに つれ、更に豊か になったと推測 される。

 昔は交通の便 も悪く、運ばれ てくる海産物に は乾物が多く、 にしん、すノるめ、 干し貝柱、棒鱈 などが主であっ た。これが古来 の自給生産物と 組み合わさって 会津地方独特の 食形態が形成さ れていったと考えられている。

 このような食習慣の中から「こづ ゆ」が生まれ、庶民の味として地域


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は会津坂下町に帰属します。
会津坂下町の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。