会津高田町勢要覧 -012/031page
文化づくり 第1章
神々の町/信仰の里知恵と炎と神秘の世界 行者の世界
諸人の願いを一身に受けて祈る10万枚大護摩供(会津薬師寺) 会津薬師寺薬師堂古来から崇高な精神文化をもつ会津高田町は、いまなお信仰の里として広く知られています。 それを代表するのが伊佐須美神社であり、会津密教の古刹、会津薬師寺です。 会津薬師寺は七七九年に草成され、後に建久元年(一,一九〇)、当時中興の祖、円鑁沙門が薬師堂を創建して 薬師寺と称するようになり、寺には平泉高館ゆかりの薬師本尊をはじめ、十二神将、如意輪観音像などの秘仏逸品が残されています。 中でも「開運大黒天」は、もともと東山羽黒山東光寺(焼失)にあったものが同時に移されたもので、 福徳円満、財富の神、そして事業繁栄の大黒天として霊験あらたかです。 また、ほかに例を見ない自動車不動尊を奉り、荒行、大御魔供を行うところとしても名高いお寺です。 銅造阿弥陀如来及両脇侍立像は法幢寺に伝わる善光寺式の一光三尊仏像で、国重要文化財に指定されています。 鎌倉時代の作とされていますが、この地方にも善光寺仏が深く信仰された歴史的証拠として貴重な文化遺産です。 智恵の文殊様は「筆の文殊」と称され、日本三文殊の1つとして、県内外から多くの受験生が訪れて合格を祈願します。 また、本天神は伊佐須美神社境内にある菅原神社の祭りで、学問の神様菅原道具が奉られています。 文殊祭りも、本天神も二月二十五日に行われています。
銅造阿弥陀如来及両脇侍立像(法幢寺) 智恵の文殊様(文殊院清龍寺)