時空抒情 新鶴村村制施行100周年記念誌 -020/057page
【昭和31年大水害】
昭和31年7月16日〜17日
7月15日、16日と襲った台風9号は豪雨をもたらし、新鶴村でもついに300mmに達した。
そして16日の真夜中から翌17日朝にかけて、会津盆地西部に山崩れが起き、赤沢川が氾濫し て東半部低地帯に押し寄せ、桧ノ目新田、沖中田などの大洪水をなした。佐賀瀬川流域、田 沢川流域も同様であった。
氾濫した激流はついに佐賀瀬川の長尾原迂回の肱の部で大決壊し、立行事稲荷神社前から五 行事地区は泥流と化した。会津緑の鉄道線路が直角に走って堤防の役目を果たしたが、それ も崩壊し阿久津地区を襲い、引き続いて新屋敷新田、和泉新田と放流していった。
被害概要は、耕地流失23町7反、埋没301町3反、冠水520町歩。橋梁損壊51力所、堰 25カ所と土堤1325mが決壊。道路は県道6600m、村道4858m、農道1万605 0m、林道3000m、鉄道は23mが崩壊。住家流失7戸、倒壊6戸、半壊2戸、床上浸水 275戸、床下浸水197戸だった。幸い、新鶴村に死傷者はなかった。