会津盆地西部地区の農業 - 097/100page

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農家のおじさん農家のおじさんの話(1)

 新鶴村は,昔から米づくりを中心とした農村地域で,福島県内でも有数(ゆうすう)の「米どころ」として知られてきましたが,最近では,農業で働く人の高齢化や農業を継ぐ人が少なく,兼業(けんぎょう)農家が大半(たいはん)をしめるようになってしまいました。

 平成8年には,50年以上も続けられてきた「食糧管理制度(しょくりょうかんりせいど)」が廃止(はいし)されました。この間に田んぼは「ほ場(じょう)整備」が行われ,また,農道や用水路などの土地改良も進み,農業の近代化が進められました。

 そのような中で,米の生産高はあがるばかりで,米があまりだし,減反(生産調整)が何度も行われるようになりました。そして,米の作付けは,多くとれる品種から質の良い品種へと変わってきました。さらに,平成8年から行われるようになった「新食糧法」によって,米の流通(りゅうつう),販売(はんばい)の方法も規制(きせい)がゆるめられ,その中で自由競争(じゆうきょうそう),地域(ちいき)と地域間の競争,輸入による外国との競争というように,競争の時代をむかえ,これからの農業は大きく変わろうとしています。

 わたしの家では,父母と妻,子供3人の7人家族で,米づくりを2.5ヘクタールと野菜など少し作っていますが,現在,父母が農業,わたしたち夫婦が会社勤めをしています。そのようなことですから,将来(しょうらい),子供が農業を継ぐことは期待(きたい)できません。村内はもちろん村外の農家も,みな同じだと思います。

 今後,ますます農業後継者はへっていくだろうと思っていませす。そうして一部の大規模農家や生産組織(せいさんそしき)(集団)が米づくりをまかされ,農作業の委託(いたく)が、受委託化(じゅいたくか)が進むのではないでしょうか。


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