会津盆地西部地区の農業 - 099/100page
ところが,農家の希望するねだんよりはるかに安い農産物が外国からたくさん輸入されるようになりました。輸入農産物は,広大(こうだい)な(広くて大きいこと)農地に大型農業機械を使って大量に作られるため,生産費が日本とくらべて安くなり,農産物のねだんも安くすることができるのです。このため,日本の農家では作らない作物(例えば,パンやうどんの原料(げんりょう)である小麦,豆腐の原料となる大豆など)が多くなってきました。
わたしの住んでいる藤川地区は,昔からの農村地区で,米づくりを中心に,転作(てんさく)した田んぼには,野菜やりんご,かきなどを作っています。
わたしの家は,祖母と父,そして妻,子供2人の6人家族です。田んぼが1.3ヘクタール,りんご園を1ヘクタール作っています。今から数年前までは,父もいっしょに農業をやっていましたが,現在は私だけがやっています。そして,将来のことを考えると,農業人ロや農地が少なくなり,農産物のねだんも低くなるなど,きびしいものがありますが,経営(けいえい)の工夫により,収入がふえることをめざし,さらには,農産物を収穫(しゅうかく)する喜びと農業の必要性(ひつようせい)を考えて,農地を守っていきたいと考えています。
日本は今,飽食(ほうしょく)(腹いっぱい食べること)の時代と言われています。長い日本の歴吏の中でもこのような時代はありませんでした。レストランで,食べきれないほどの料理を注文(ちゅうもん)し,平気で食べ残している人をよく見かけます。