鮭立磨崖仏 - 013/135page
いません。発願製作したとつたえられている岩淵家が火災の厄にあって、資料はすべて失われたからです。あるいは当地山入村(鮭立を含んでいます)の名主の記録の中に有るかもしれませんが、まだ発見されていないので年代を確定することは資料からはできません。伝えられていることによれば、現在の岩淵太門氏の祖先は代々修験者であり、法印宥尊が天明のころ人々を救おうという心をおこして製作したが、一代では完成せず法印賢誉の代に完成したといわれています。岩淵家には法印宥尊は寛政十年没、法印賢誉は天保五年没と記されている位牌もお墓もあります。史料が無くてもこの言い伝えは信じて良いと思います。確定は出来ませんが、今から約二百十年〜二百年前、天明の頃とはどんな時代だったかをみてみましょう。