鮭立磨崖仏 - 131/135page

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気持ちが盛り上って生れた一種の文化団体です。いわば山入地区住民の総意の結集団体と言って過言ではありません。

 従ってその山入に、世に誇り得る磨崖仏があるということは、その保存・保護はもとより、これを広く多くの人々に知って頂き、共に貴びまた喜びを分ち会いたいと思うに到りましたことは当然の帰結と言えましょう。

 幸いにも、会員の一人であり、金山町文化財調査委員であり、更には僧侶でもある今井亮修さんという人が特別の関心を持たれ、仏教界という特殊な知識による精密な調査と併せ、勝れた写真技術をも身につけておられたので、その今井さんの知識・技術を近隣会の総意が信頼し、写真集として上梓したいということになったのでした。

 けれども、その小さな事業である写真集出版事業と雖も山入近隣会という特殊な地域団体としては容易なことではありませんでした。しかし、三年余の歳月と、金山町当局は勿論のこと、議会・教育委員会・文化財調査委員会等の並々ならぬご指導、御支援があって、遂にここに発刊の願望が遂げられました。

 近隣会すなわち山入全体の喜びであると共に、広く文化を愛し貴ぶ世の人々に、この喜びを分ち合いたいと思います。

 なおこの磨崖仏を愛し貴ぶ事業はこれで終るのではなく、風化・磨滅の激しい五十一体の石仏は、保存・保護の適切な手段を待っているのです。この写真集が起因となって、その手段の実現を希いつつ、最後に関係された機関、人々のすべてに深く敬意と謝意を表して発刊のことばとします。


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