カラムシ資料集その1-001/028page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

発刊にあたり
自然豊かな昭和村に、日本最古の布といわれる「編布」に使われたという、亜熱帯原産の植物「からむし」が栽培されている。隣の三島町荒屋敷遺跡(縄文後期)から「からむし」の布切れの塊が出たという記録もあるが確証は得ていない。
「からむし」は原産地と考えられる東南亜細亜から中国・韓国を経て日本に伝来したと考えられる、会津地方にはどのようなルートで伝わってきたか、昭和村には「何時」「何処から」伝わってきたのか、室町時代の応永三年(1396)に野尻郷で栽培されていたとの記録があるが、それ以前には栽培されて居なかったのか不明な点が多くあります。
その「からむし」は今沖縄県宮古と昭和村でしか栽培されない「まぼろしの糸」になろうとしています、先人が苦労して引き継いできた「からむし」を守るため、昭和村は、生産技術・生産用具をはじめ織技術の保存はもとより、地場産業振興の観点から伝承技術の継承に力を注いでいるところであり、それが私達に与えられた責務であります。
ここに「からむし」を植物分類、歴史、民俗、文学等各分野から整理した〔からむし誌〕を編纂し発刊することとなりました。文化遺産として「からむし」の資料を歴史的価値の有るものといたしたく願っているところであります。
本誌の発刊にあたり調査を担当していただきました遠藤由美子氏並びにご協力いただきました方々に深甚なる敬意を表すると共に感謝申し上げ発刊のご挨拶といたします。
1999年3月
昭和村教育委員会
教育長 野澤和弘

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は昭和村教育委員会に帰属します。
昭和村教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。