カラムシ資料集その1-024/028page
に對しては、一臺一組なれば、一日半未満の作業にて結了すべし。三臺一組なれば約四時間強の作業にて結了すべし。秋季第三■の收穫量千五百斤に對しては、一臺一組なれば、約六時間未満の作業にて結了すべし、三臺一組なれば約二時間未満にて結了すべし。
栽培後三年乃至五年間、第一■の收穫量七千斤に對しては、一臺一組なれば約三日間未満の作業にて結了すべし。三臺一組なれば約一日間中に仕上げ得べし。其第二■の收穫量五千斤に對しては、一臺一組なれば約二日間にて結了すべし。三臺一組なれば約六時間強にて仕上がるべし。其第三■の收穫量三千斤に対しては、一臺一組なれば一日と二時間強。三臺一組なれば三時間強にて仕上がるべし。
第二十章 苧朝繊維精製法
以上の如く手工又は器械によりて剥皮したる粗苧は、織物其他の原料に供せらるゝに至る迄は、尚幾多の操作を経ざるべからず。殊に護謨質除去(degum-ming)の一事は、精製麻上最も注意すべき要點なり。生麻は人の知る如く粘著質ありて、之に賜るれば輕く指頭に粘著す、是は其の繊維に護謨質物(重にペクトースPectose、クトースCoutose、バスクロースVasculose)を含有するが故にして、其の多量なるものは製紙作業に適せず、仍て當業者は此護謨質除去に就いては各國種々の苦心をなす處にして、其の優秀なる方法の發明者は總も、其の發育良好にして莖太く且つ長きものは繊維歩合多きを常とす。
第一節 臺灣
今臺灣各地に於ける繊維歩合を見るに收穫の時期及び臺の長短大小により差あり。
一、高雄州甲仙地方
三尺 |
莖長 |
三% |
生莖に對する乾燥繊維歩合 |
五尺 |
莖長 |
五% |
生莖に對する乾燥繊維歩合 |
七尺 |
莖長 |
七% |
生莖に對する乾燥繊維歩合 |
今甲仙庄に於ける第三水の坪刈の結果を見るに
平均 |
下 |
中 |
上 |
|
苧麻の等級 |
688 |
464 |
640 |
960 |
匁 |
坪當生莖重 |
37 |
19 |
58 |
35 |
匁 |
坪當乾燥繊維重 |
3.97 |
4.09 |
4.38 |
3.64 |
% |
生莖に對する乾燥繊維歩合 |
之を要するに甲仙地方は各期平均三乃至四%を以て平均歩合となすべきか。
ゴム質の除去されたる粗麻は更に窯中にて煮沸さる。此の窯は麻繊維の互に相固着するを防ぐ為め、針金の網状淺盤を交互に嵌め込みたるものとす、此の煮沸時間は約七時間にして、その後清水にて洗滌して曹達の痕跡を去り、更に十時間及十二時間に互り石灰溶液1/2twの■化物に浸し、又清水にて洗ひ硫酸の溶液か又はヴヰトイクル油1twに浸し、數時間放置し次に清水にて洗滌す。茲に至り掛け、又次にGillspreading機に掛けらる。此の機により繊維は片々に切斷せられ、次にその長さ厚さの複雑なる作業は、詳記の煩に不堪。機械の如きも最近の發明なるに不拘、頗る多種多様にして、各工場毎にその長短を取捨して使用する處必ずしも一様ならず。
以上の如き科學作用に由りて、草棉に彷佛たる一種の苧麻綿絮(Cottonized Ramie)を製出し、之を原料として織物その他諸種の原料たるラミー紡績綛なるものを作る。
第二十一章 製麻歩合
第二節 日本国内
東京駒場に於ける試驗によれば三.一%内外なり。
第二十三章 繊維の品質
第一節 産地と苧麻繊維の品位
酷暑の熱帯地方に産するものは生育極めて旺盛なるが故に、その莖園太く
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