昭和村 あんじゃ こんじゃ -028/057page
[ からむし織 ]
昭和村のからむし栽培は、中世の芦名氏時代(約600年前)からだと言われ、近世の上杉氏時代には栽培が確立しました。雪の深いこの村において、からむしが麻とともに大切な換金作物であったことは『東遊雑記』(1778年)の記述からもうかがえます。
時代が下がって、明治28年に大芦の五十嵐夫妻がからむしの栽培・加工を伝授するためロシアに招聘されており、その技術が高く評価されていたことがわかります。
第一次大戦後の養蚕の隆盛、第二次世界大戦中の食糧難による畑の転作などの不遇な時代を経て、昭和46年に農協でからむし生産部会を設け、各方面からの注目を浴びるようになりました。
平成元年以降は、織り・生産いずれもが県の重要無形文化財指定や選定保存技術に認定されました。
平成3年には国の選定保存技術に昭和村からむし生産技術保存協会が選定されて以来『からむし織の里』として全国から注目を浴びています。
【カラムシ】
イラクサ科の多年草で、チョマ、青苧(あおそ)ともいいます。
東南アジア地域が原産といわれ、成長すると高さ1〜2mほどになります。
精製すると光沢の美しい強い繊維がとれます。
昭和村は本州唯−のからむし生産地で、原麻の生産技術が厳しい管理で受け継がれています。