下野街道(南山通り) -000-11/109page

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序   文

 古来より人や物資の交流の基盤となってきた「道」は、我が国の文化や歴史を理解する上で極めて 重要な意味をもつ生きた文化財であります。しかし、こうした歴史的・文化的に重要な由緒ある「道」 も、現在では社会生活の発展とともにその道筋を変え、今では人々の記憶からも消えようとしていま す。

 下野街道は、会津藩が隣国へ通ずるとした五街道の中の一筋で、現在の福島県会津若松市から栃木 県今市市までの宿場数十七、総延長約三十里の街道でした。この街道も交通体系の変化から明治十七 年には会津三方道路と呼ばれる現在の国道が開通し、山間部を通る峠越えの道は人も入らない薮化し た荒れた道となっていました。

 今回、文化庁のご指導により下野街道の復元整備ができましたことは、歴史に思いを馳せながら古 道を歩いてみたいと願う現代に生きる私達の喜びであるとともに、旧街道の歴史的価値の保存と継承 に繋がったものだと確信いたします。

 最後に、本事業が完了するにあたり、専門的な立場からご指導賜りました文化庁、福島県教育委員 会その他の関係機関の皆さまに対し深甚なる謝意を表します。また、ご協力をいただきました旧街道 沿いの各行政区の皆様に厚くお礼を申しあげます。
 平成十二年三月

下郷町長 櫻 木 左久雄


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