下野街道(南山通り) -001/109page

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第一章 下郷町の沿革

第一節 下郷町の位置

下郷町位置図1

下郷町位置図2
下郷町位置図

 下郷町は福島県の西南、南会津郡の東端(北緯三七度一四分、 東経一三九度五二分)に位置し、南は那須山脈によって栃木県黒 磯市と境し、北は会津若松市、会津本郷町、会津高田町、東は西 白河郡及び岩瀬郡、西は田島町に接している。東西二七キロ、南 北二四キロメートル、約三一七平方キロメートルの広大な面積を 有し、その八五%は山地である。町の中央を貫流する阿賀川(大 川)は、六本の支流を集めて北に走り阿賀野川となって日本海へ 注いでいる。

 那須山系の山々は、那須山を主峰として一〇〇〇メートルから 二〇〇〇メートル級の高峰が連なる奥日光国立公園となってお り、また大川と呼ぼる阿賀川流域は、雄大な渓谷美を誇り大川羽 鳥県立自然公園に指定されている。

 気候は、日本海側の影響を強く受ける積雪寒冷地型で、夏は高 温多湿であるが朝晩は涼しく、冬は降雪量も多く山岳部では二メ ートル以上にも達する。

 このような雄大な自然と環境から、外には見られない珍しい地 形や動植物が生息し、中でも「中山風穴地特殊植物群落」は、標 高が五五〇メートル前後であるにも関わらず通常一五〇〇メート ルから二〇〇〇メートル地帯の亜高山帯に生育する植物が群落を なして自生している。また、大川ライン「塔のへつり」も、第三 期層の地層が浸食と風化によって見事な岩の景観をつくりだし、 それぞれ国の天然記念物として指定されている。

第二節 下郷の歴史

 下郷町は、縄文時代早期から近世に至るまでの一四五カ所の埋 蔵文化財包蔵地を有し、平安文化の特徴を色濃く残す重要文化財 の観音堂や重要伝統的建造物群保存地区として近世宿場の面影を 今に残す茅葺民家群の大内宿など、歴史的・文化的遺産に数多く 恵まれた町である。

 この地域の確かな文献への登場は、十世紀半ば(平安中期)で、 承和年間(九三一〜九三七)に成立したといわれる『倭名類聚抄』 の会津郡の地名に「長江」を見ることができる。


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