ゆたかな下郷町の自然-010/105page

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(3)中山風穴地特殊植物群落
国指定天然記念物
1、指定昭和39年(1964)6月27日
  天然記念物「中山風穴地特殊植物群落」として国より本指定を受ける。
2、所下郷町大字湯野上 中山の中腹・標高約800m
3、管理 下郷町
◆中山風穴について
中山風穴は、大川渓谷(阿賀川)沿いの湯野上温泉街の南部に標高500m〜600mの位置にある。中山(標高855.1m)の東側麓にあたる。
この辺りの山地は、石英粗面岩という岩石から成っている。石英粗面岩は、溶岩の一種で、岩漿(マグマ)が冷えて固まるとき、よく柱状の節理をつくる。
中山風穴も、この角柱状の岩石でできた急傾斜の山腹が、長い年月の間に風花し、侵食され角柱状の岩石が剥がれ落ちて、隙間の多い堆積地をつくる。このような所に風穴がみられる。
風穴といっても直径5〜15cm位の無数の穴から冷風が吹き出している。その温度は、夏でも0℃近くの低温である。風穴の分布する一帯はこのため夏期でも気温は低く、湿度は高くなる。
その結果、風穴のない周辺とは異なった特殊な植物群落が形成され、高山にも似た標高1500m〜2000mの高山と同じような気象条件を備えた低い高山の条件がととのっている。
そのために、中山風穴には、現在も、オオタカネバラやベニバナイチヤクソウやその他の高山性の植物が分布していて学術的にも貴重な場所といえる。現在、町でくわしい調査をしている。
ヤナギラン
【ヤナギラン】
(アカバナ科)
葉の形がヤナギの葉に似ていて、花がランのようなことから柳蘭(ヤナギラン)という。
多数の紅紫色の花が、下から順に咲き上がる。
第6指定地に見られる。


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