舘岩村要覧 -008/028page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

曲り家の里、前沢物語。

たていわのゆとり空間はアメニティ型
石仏
母屋にウマヤをつけた中門造り。豪雪の年は、飼料用干草収納の2階が入口になります。
ここ前沢は戦国の世の後に武士たちが拓いた落人集落。間取りのよく似たカヤぶき屋根の団地です。

田植え
どろんこになって心ときめかすのは、ふるさとを同じくするカエルやアメンボウとの語らいです。

手話教室
手話教室で学ぶのは、交流による村づくりの理念です。

花の日
花の日に村民が集い、手入れするのは昔ながらの居住空間の快適性です。

*80(昭55)文化財保護委員会発足。埼玉県大宮市と中学生交歓、都市との交流始まる。81(昭56)大宮市立少年自然の家開設。たかつえスキー場オープン、高原整備始まる。国補助事業・青少年ふるさとづくり運動始まる。82(昭57)大宮市と友好都市締結。県指定「文化のふるさと」づくり事業推進。83(昭58)村民憲章制定。84(昭59)自然健康村/ヘルシーランド宣言。85(昭60)しらかば公園建設着手。県指定ホタルの住む川づくり事業により、小学生が湯ノ岐川にゲンジボタルを飼育放流。ふくしま特産の里づくり指定「赤かぶ」出荷始まる。86(昭61)ゴーマン杯ふるさと健康マラソン大会始まる。87(昭62)国土庁主催の第二回農村アメニティコンクール「おらが村が日本一住みよい村」に認定される。第一回は大分県由布院町。88(昭63)農村総合整備モデル事業着手。11の風致地区指定。環境美化整備基金を設立。ふるさと文化ふれあい教室スタート。有機農業に補助制度。88(昭63)前沢曲家資料館開設。90(平2)民俗・百万遍と木遣り復活。村が農村アメニティ・全国シンポジウム会場に。93(平5)村民花の日を制定(7月第2土曜)。90〜93(平2〜4)曲家とホタルの里づくり事業により前沢ふるさと公園を整備。前沢に山本有三(路傍の石・作家)記念郷土文化賞と、農水省等主催の美しい日本のむら景観コンテストの集落部門賞。小学校で全校生田植え始まる。94(平5)村民花の日制定。96(平8)前沢ふるさと公園で大宮市の小学生が舘岩で採取し学校で飼育したヘイケボタルを里帰り放流。

 「ご当地には、伝統の曲家の美しい家屋、また、あちこちに野仏も建っていますが、こういった今日まで延々と続いた先祖の知恵を掘り起こすときにきているのではないかと思います。イタリア人が低成長時代にあたって古代ローマ・ギリシャ人の文化を掘り起こしました。これをルネッサンスといいます。日本語でいうと稽古、即ち古(いにしえ)を考えて今日に生かすということです。
 民話・民具には昔の人の知恵が入っています。こうしたものを掘り起こして若い人に伝えていく、その中から新しい知恵が生み出されていく。これが、今の時代に求められているのではないでしょうか。都会でレトロブームと言われているのがこのことです。これは、昔のものを掘り起こしたいという若い人の気持ちの表われであると考えられます。」

 自然健康村(ヘルシーランド)宣言をして3年目の1978年(昭和62)、国土庁主催の農村アメニティコンクールで「おらが村が日本一住みよい村」に認定された舘岩。審査員のひとり木村尚三郎東大教授は、舘岩の個性と魅力、郷土愛と村づくりの情熱を称え、その意義深さを諭されたことを忘れ得ません。
 21世紀の自分時問の快適性は、白ら創る時代。生活の場としての地域社会再生が叫ばれる今こそ、わたくしたちは、「自然と健康」を第一に掲げる村民憲章の精神を尊び、「舘岩型」ふるさと創りをゆるぎないものにします。

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は舘岩村に帰属します。
舘岩村の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。