舘岩村要覧 -018/028page
親善マーチがこだまする。
たていわのゆとり空間は都市と共有型
ツーデーマーチの楽しみは、山里の心豊かなアウトドア物語り。たとえば舘岩名産のイワナ!川底のトビゲラやカゲロウの幼虫。流下昆虫を食べながら、岩かげに潜む幽谷の花。ブナ虫の発生期には下流のヤマメ顔負けに落下昆虫狩りが始まるという。生態を見抜く釣天狗のウデの見せどころらしい。
絶品!舘岩の裁ちそぱ。涼風の精を集めて、トントントンと打ち込むのは、もてなしの心です。
21世紀の郷土の担い手に伝授するのは、自然と触れあう心得です。
ファイアーの炎で焦がしているのは、ふるさと心です。
リンゴ農家が直売するのは、採りたての新鮮さと味のよさ。それに消費者の顔の見える農業です。 舘岩村の皆さん。私は今生まれ故郷の母親に便りするような心情で、この一文を記しています。〈中略〉願わくば「少年自然の家」を架け橋に、舘岩村と大宮市の文化・経済の交流、村ぐるみ、町ぐるみのおつきあいに発展することを祈ってやみません。〈中略〉みなさんの村「舘岩」。その山ふところに立つ。少年自然の家。そこで学んだ大宮の子どもたちが、やがて成人したあかつき、大自然の一木一草を親しいもの、懐かしいもの、母なる村と慕う時、ほんとうの教育が成り立つのだと信ずるからです。 1978年(昭和53)の暮、大宮市の教育長から村民にメツセージが寄せられました。
子どもたちが「自然にふれ、自然で鍛え、自然に学ぶ」活動を通して、友情・協調の精神を養う拠点施設・大宮市立少年自然の家の開設は、忘れもしない二年後の秋。たかつえスキー場がオープン。悲願の会津鬼怒川線建設事業も始まり、郷土の夜明けを告げる出来事の一つでした。その一周年を期して大宮市・舘岩村友好都市を宣言・締結します。
親善ツーデーマーチは、そのシンボル事業。年々足音高く交流の輪を広げつつあります。
21世紀の農山村空間は、都市と共有の時代。その個性と魅力が脚光を浴びる今こそ、わたくしたちは、森羅万象に都会の仲間と共感・共鳴しながら、異文化に開かれ地域システム(コミュニティ)づくりの可能性を拓きます。