舘岩村要覧 -020/028page
食べに来やれや、舘岩づくし。
たていわのゆとり空間はふるさと型
舘岩特産の赤かぶ。鮮やかな赤紫色で長首、やや糸つむぎの鍾=つむに似ています。日本固有種ともされ、全国各地で独特の、形状と味を温めています。古来、七草に数えられるスズナ=カブはこの仲問といわれます。
そばづくしの1つ、八ツトウ(法度)。縄文人がこよなく愛したジュウネンの野趣に託すのは、食文化の原風景の魅力です。
舘岩特産の赤かぶ。古代の焼き畑農法そのままに、幾度も霜に当ててまっ赤に染め込むのは、素朴な里心です。 “おごる平家は久しからず”
平安時代に最期を告げ、武士の世の幕開けとなった1180年(治承4)。後白河天皇の皇子・以仁王(高倉宮)は、源氏方の軍勢を従えた打倒清盛の挙兵に矢敗し、みちのく路に逃れたとする都人の逃避行伝説が、ここ南会津の地には刻明に描かれています。
この山里に滞在の折、村人が手厚くもてなしたお礼のしるしに置いて行かれたのが舘岩特産の赤かぶ。だから、他所では育たないという。また、会津高原の滞在活動拠点・高杖(たかつえ)の地名は、ツエをたよりに中山峠を越してこの地を去られたという、竹杖と高倉宮の昔語りにちなむと伝えられているのです。