檜枝岐村勢要覧 -016/028page
伝統芸能 ・ 文化財
伝統がしっかりと根づいている。
温故知新そのままの村。NHKが衛星放送で全国に放映した檜杖岐歌舞伎は、寛政、文化の頃伝わったと言われています。
全国各地で古い歌舞伎が次々に姿を消して行く中で、古典そのままに親から子へ子から孫へと伝えられてきた貴重な農民芸能です。また歌舞伎が上演される舞台は「檜枝岐の舞台」として国の重要有形民俗文化財として指定されています。木工芸品には、特産である良質の檜材を使った曲物、栃の大木を手掘りで作るハンゾウなどがあります。
「裁ちそば」は、つなぎを一切使わない地域の特性を活かした農民の知恵とも言うべき伝統技術でその風味は素晴らしく、郷土料理である「山人料理(やもーどりょうり)」の中核として受け継がれています。
檜枝岐村は地形、風土において特殊な条件にあり先祖の歩んできた道も厳しいものがありました。路傍にたたずむ稚児地蔵が悲しい歴史を物語り今でも香や花が絶えません。
あわれさに旅衣の袖も濡れにけり
檜枝岐なる稚児の像見て
川上喜久子作