自然観察ガイドブック 五十人山の自然 -001/032page

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五十人山の動物

はじめに

 本州では、岩手県についで第二番目に広い面積を 有する福島県は、森林区分では、海岸から内陸に向 かって六つに分けられている。

 東側から太平沿岸の穏やかな海洋性の気候に育つ シイ・カシ林からなる浜通り低地、モミ・イヌブナ 林で代表される標高300mから1,000mぐらいの丘陵 地帯が南北につながる阿武隈山地、この山地と西の 奥羽中央分水山地に挟まれたアカマツ林からなる中 通り低地、1,500m以下にブナ林が、それ以上にアオ モリトドマツを主とする亜高山帯針葉樹林がみられ、 分水山地の西には会津盆地、そして会津山地が位置し、 越後山脈へと続いている。

 阿武隈山地の中央部には日山(天王山、標高 1,058m)・五十人山(883m)・高瀬川渓谷・大滝根 山(1,192m)・矢大臣山(965m)・高柴山(884m)・ 東堂山(668m)などがあり、このあたり一帯が阿 武隈高原中部県立自然公園に指定されている。

 今回紹介する五十人山は、双葉郡葛尾村と都路村 の村境いにあり、山頂へは葛尾村の西ノ内と湯ノ平 から向かう方法と、都路村の持藤田から向かう方法 の三通りがある。五十人村の山開きは、5月20日よ り後の日曜日に行われていて、毎年千人程の登山者 が、葛尾村や都路村はもとより、大熊・富岡・楢葉 町などからもやってくる。山頂までの標高差は、お およそ300mあり、ゆっくり登り降りするだけなら、 2時間ぐらいのハイキングになる。  以前、山頂での火の不始末から、ツツジの大群落 を燃やしてしまったことがあったが、その後ツツジ の群落は年々勢いを増し、現在では、往時をしのば

五十人山の平坦な山頂部
五十人山の平坦な山頂部


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葛尾村の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。