自然観察ガイドブック 五十人山の自然 -004/032page
るハクビシンが目撃されることもある。
小型の哺乳類では、林の中で木から木へ軽快に跳 び移るリスをみることができる。林が切れたところ では、地面に降りてチョコチョコ走りまわることも ある。
夕暮れの空をすかしてみると、小さな黒い影が忙 しく飛び回っていることに気が付く。俊敏ではある がツバメのような流麗さはなく、どことなくぎこち ない飛び方である。この影のぬしは空を飛ぶ唯一の 哺乳類のコウモリである。空を飛びながら、超音波 を使って主に蛾とか蚊などの小さな昆虫類を捜して
モリアオガエルの卵塊いるところである。温帯地方に生息する虫を食べて いるコウモリは、餌のなくなる冬の間は、建物の隙 間や樹木の割れ目や洞穴などで冬眠することになる。 民家周辺を飛び回っているのはアブラコウモリで、 別名をイエコウモリともいう。林の中の開けたとこ ろを飛翔しているのは、コキクガシラコウモリのよ うである。超音波を受ける耳介が5cm程に長く伸び た、ウサギコウモリもいるにちがいない。
ネズミやモグラは、コウモリとは反対に、地中に 潜った哺乳類である。五十人山には、体と尾がとも に10cmぐらいの小さなヒメネズミがいる。餌は、草
アリジゴク