自然観察ガイドブック 五十人山の自然 -003/032page
五十人山の動物
阿武隈山地には、福島県を貫いて南から北へ流れ る阿武隈川を挟んで西に位置する奥羽・越後山脈に 生息する大型哺乳類のツキノワグマやカモシカなど はみられず、ツキノワグマとは阿武隈川を境界とし てすみわけるようにイノシシが生息している。イノ シシは、西ノ内や湯ノ平などにも出没して、ジャガ イモ畑などを荒らしたりするが、警戒心が強く姿を 見せるのは極めてまれである。
コキクガシラコウモリ野生のサルの生息地としては、相馬郡飯舘村八木 沢峠付近が知られているが、この郡から離れたと思 われるサルが日山を経て、昭和59年あたりから五十 人山近辺でも頻繁に目撃されるようになっている。
中型の哺乳類で多いのはノウサギで、林の中には いたる所に糞がころがっている。このほかに生息し ているものとしては、キツネ・タヌキ・イタチ・テ ン・ムササビ・アナグマなどがある。しかし、五十 人山近辺よりは、周辺の山地でみかけることのほう が多い。たまに柿の木に登ってカキの実を食べてい
コ サ ギ