自然観察ガイドブック曰山の自然 -006/031page

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6 曰山の植物           

る。しかし、一方、仏教がようやく庶民のも のとなった鎌倉時代に、この山頂に牛頭天皇 宮が祠られたという記録もある。曰山は、別 に天王山ともいわれるが、この別名の由来は ここにある。牛頭天王は祇園精舎の守護神で 除疫の神として知られている。思うに、この 曰山にも、他の山岳と同じように、地域社会 の生活と結びついた神仏混交の信仰があり、 それが明治政府の神仏分離令によって、神道 一筋にまとめられたものであろう。

頂上シバ草地のウメバチソウ
頂上シバ草地のウメバチソウ

 この曰山神社に、地元の人達が奉納する風 流の獅子舞がある。色紙で飾ったささら竹を 中心にして、獅子頭をかぶって衣装を付けた 三人の子供達が舞うもので、曰山神社への奉 納は旧暦の8月18日に行われてきた。田沢と 茂原と葛尾にあり、それぞれの社に奉納し、 また他の社にも参詣する。昔は三地域の獅子 舞が山上で合同したが、今では奉納の日も新 暦となり、月日も変わっている。

田沢口

 田沢口は、バス路線でいえば、二本松から 津島行きの福島交通バスの田沢停留所で降り る。萩平を経て川口に倒り、そのまま沢の底 の一本道をつめる。茂原川口牧野組合の牧草 地を右に見て、道はつづら折りとなり、曰山 スカイファームに倒る。ここでは、ブタやブ ロイラー種のニワトリを飼育している。牧野 組合の牧野には肉牛が放牧されているから、 スカイファームと合せて、この一帯は動物た んぱくの生産基地ということができる。

 スカイファームへの車道と分かれ、歩道が、 牧草地の柵に沿って曰山の東北尾根へと続い ている。沢をやや登りつめた所に、御神水と


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