自然観察ガイドブック曰山の自然 -012/031page
12 曰山の植物すぐカラマツの植林地に入る。このカラマツ 林内には、自然侵入したイヌシデ、ミズキ、 クリなどがよい成長をみせている。林床には クヌイザサが密生している。
しばらく行くと、谷川の流れに近くなり、 カラマツはスギにおき替る。その林床にはス ズタケが密生する。
路もだんだん登り、尾根に近くなるとスギ 林も切れ、アカマツ林となる。登りつめた平 坦な鞍部で、路は南津島からの路と合流する。 このあたりには高さ30mにもなるアカマツの 美林が残っている。このようなアカマツ林は かつてはこのあたり一帯に見られたが、今で は伐採され、代って新しいアカマツが植林さ れている。亭々と茂るアカマツの下には、ヤ マモミジ、イヌシデ、クマシデ、ケヤキ、カ スミザクラ、ヒトツバカエデなど、雑多な広 葉樹の繁茂があり、林床にはチマキザサが密 生している。
ここから、新しいアカマツ植林地の坂を上 り、路は平坦な尾根に出る。ここからは、長 いゆっくりとした上りで、曰山の頂上に達す る。この尾根道の周辺は美しいイヌシデの林 である。イヌシデの他に、アカシデ、クマシ デ、サワシバなどシデ属の植物が多く、他に