自然観察ガイドブック曰山の自然 -021/031page

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21 曰山(天王山)の植物

ヨシボシケシキスイなど?翅類も多くゆっく り昆虫採集に時間を費やしたい所である。

 この草地を過ぎると再びアカマツ、クリ、 コナラの林になる。夏期はシジュウカラやヤ マガラ、コゲラなどが見られ、シジュウカラ やエナガは混群をつくって飛び回っている。

 茂原と移の分かれ道あたりはアカマツも巨樹 が多くなり樹齢100年以上と思われるものも 見られ、ケヤキ、トネリコ、カシワなども混 じり、これらの木にはヤマブドウやアケビが からみついていて9月末から10月にかけては たわわに実がさがっている。そのせいかヒヨ ドリが非常に多い。

 この山の幸をとるためか、かなり太い枝が あちこち折られていて、ブドーのつたなども 随分いためつけられているのを見る。この山 には熊の生息は考えられないので、明らかに 人のなせる業である。大切な自然を永く子孫 に伝えるためにもこのようなことは慎しみた いものである。

 クリの実も路傍には沢山落ちている、カケ スやカラス類の姿も多くなる。やがて牧場に 着く。段々畑のような牧場である。リンドウ やセンブリが目につく、遥か下に先程登った 道が見える。

20 曰山の地質

曰山の地質

曰山は別名天王山とも呼ばれ、海抜1058m で阿武隈山地のうちで大滝根山(海抜1193m) につぐ第二の高峰を誇っている。地形略図に も示してあるように、太平洋と中通り地域を わける分水界は、阿武隈山地のほぼ中央を南 北に走っていることがわかる。この分水界を つくっている山には、曰山をはじめとして、 北から三郷森(703m)・無垢路岐山(672m)・ 花塚山(918m)・疣石山(792m)・戦山(863 m)・高太石山(864m)・白馬石山(821m)・ 蟹山(868m)・竜子山(921m)・鎌倉山(967m) など700mから900m級の山やまが軒をなら べて配列している。分水界を横切っている谷 部のところには、水境とか峠の名前がつけら れていたり、市町村の境界や群界になってい ることが多い。なお、曰山は国土地理院の三 等三角点になっていて、頂上部のところに花 崗岩でつくった標識が設置されている。

 曰山の全体の形は、さきにあげた10ヶ所の 山と同じように、尾根が大体北西から南東の 方向に向きをとっている。この形は、かつて


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