自然観察ガイドブック曰山の自然 -026/031page
26 曰山の地質
曰山の西側斜面に散乱する花こう岩の岩塊流。 岩塊の形は、ほとんど角ばっている。雑木林 の中にも無数の岩塊が見られる。塊が、あたかも墓石のように立っているのが 目につく。このような石の集り方を露石とよ んでいる。曰山の中腹から頂上にかけてさま ざまな規模の露石を見ることができる。さら に山麓のところには、同じ花崗岩の岩塊が、 ごろごろと一面にちらばっているところがあ る。このような岩塊群を岩塊流とよんでいる。 この岩塊流も、分水界の山麓に限って広く分 布しているのである。この岩塊流は、花崗岩 の岩塊と泥がといっしょになって、山頂部や 中腹から麓に向かって流れくだったためでき たと考えられている。この岩塊流の上に、ふ とんをかぶせたように安達太良山の噴火のと きに積った火山灰が厚くのっていることがあ る。そのようなことから、岩塊流の流れたの は、いまから数万年か数十万年前だろうと推 定される。さきにふれたように、頂上付近の 花崗岩に無数の節理ができていることが、岩
[岩塊流と火山灰層−川口付近−] ゴツゴツしているのが花こう岩の岩塊流。そ の上に被っている白っぽい地層が、数万年前 安達太良火山の噴火のさいに岩塊流の上に積 もった火山灰